はいさい!皆様!!
ちゃ~がんじゅ~ですか(お元気ですか)?
早いもので今年もあと2ヶ月ほど!
年末に向けていろいろな準備を始める方もいるかと思いますが、
実は、モズクも次の時期の収穫に向けて、
「種付け」の準備が始まっています。
え!モズクも種があるの!?
正確には「種子」ではありませんが、
苗を作って栽培していくために
「種付け」と呼ばれる作業があります。
・・・ということで、
勝連漁業協同組合に所属する海人(漁師)の宮城伸一さんに密着して、
みなさんにモズクが収穫されるまでの様子を
そのタイミングごとにご紹介していきます。
◆10月初旬~ 採苗 ◆
モズクを育てるために、まずは、苗をつくります。
モズクの栽培は、野菜などの栽培と同様に苗作りから。
芽を育むことから始まります。
栽培の仕方は、地域や、海人さんによってオリジナルの工夫があるので
多少の違いはありますが、
勝連の場合、その苗作りは海で行います。
栽苗に使うもの。
・・・それは、『ビニールシート』!
なんと、ビニールシートを海底に張り、そこに芽を着床させるのです。
「モズクって何?」(9月4日掲載)
の中でもご紹介しましたが、
モズクは藻や何かに付着して成長する海藻。
だから、それを「ビニールシート」で行うというのです。
初めて知ってびっくり!!!
しかも、海人さんによって使うビニールシートも好みがあって
普通の青いビニールシートを使う人もいれば、
少し薄めの透明のシートを使う人、
さらには、緑のシートなどそれぞれに工夫をしています。
ちなみに、宮城さんは青色のブルーシートでした!
海底での栽苗は約1ヶ月。
この間に、一番困るのはやはり台風で、
海が荒れてビニールシートの上に砂がかぶってしまうと
せっかく着床したモズクの赤ちゃんも死んでしまうのだそうです…。
◆ 種付け ◆
ビニールシートに栽苗できたら、今度はそれを水槽に移動させます。
勝連漁協ではそれぞれの海人に割り当てられた水槽があって、
そこで種付け作業を行います。
まずは、水槽の中に、ビニールシートを広げます。
この時、モズク以外の海藻が付着していたら取り除きます。
なんて細かい作業!!!
下の写真に見えるモズクの赤ちゃんの右隣にある海藻が雑草!!
これを手作業でひとつずつ抜いていくのです。
雑草取りは、このあと栽培していく上で小まめに行われます。
海人さんによっては、このビニールシートを針金で固定して、
水槽に入れる人たちもいます。
このあたりの工夫は、海人さんのそれぞれのこだわりと研究によって行われています。
こうして、水槽にモズクの苗を開けたら、
種付けのためのロープもその日のうちに同じ水槽の中にいれます。
モズクはこのロープにたくさん種付けさせて成長させるのです。
ロープを時々、水槽の中で上下を入れ替えたりして
種がまんべんなく付くように工夫する海人さんもいます。
宮城さんも自分の水槽を覗き込み、モズクの種付けの状態の確認をします。
水槽の水が少し茶色くなっているのは、
モズクの種が繁殖している証拠。
種付けが進むと、ロープの周りがヌルヌルしてくるのだそうです。
そうなると、種付け成功!
大体1ヶ月程この水槽の状態でしっかりと種付けを行います。
さぁ、種付けがバッチリ出来たら
そのモズクを海へ移動させます!!
海の中で大きく、美味しく育てるのです。
次回は、海の中へ移動させて、苗床を設置させる様子をお届けします。
お楽しみに!!
(次回掲載は、11月13日(金)の予定です)
取材・撮影 伊藤麻由子