こんにちは。
新型コロナウィルスの感染者数が少しずつですが、減ってきましたね。
でも日頃の体調管理は油断しないように気をつけようと思います。
沖縄はまた気温が下がって風も強いので、暖かくしなきゃです。。
さて、海藻に含まれている成分「フコイダン」がコロナ予防になるのでは?
という論文を3つ見つけましたので、ご紹介いたします。
フコイダンには、インフルエンザウイルスやデング熱ウィルスなどに対する抗ウィルス作用や、
免疫活性化の作用が報告されています。
日常の食事からウィルスの感染や発症の予防ができることは、とても心強いですね!
文献に出てくるSARS-CoV-2は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の
原因となるウィルスの名称です。つまり病名は「COVID-19」、
これを引き起こすウィルスの名称が「SARS-CoV-2」ということです。少しややこしいですね。
少し難しい内容かなと感じるかもですが、日頃の健康管理の参考になれば嬉しいです。
文献1:
フコイダンはSARS-CoV-2のスパイクタンパク質とヒト受容体(ACE2)への結合をブロックし、その効果はレムデシビルより強力である。
(Paul S. Kwon, et al. Sulfated polysaccharides effectively inhibit SARS-CoV-2 in vitro, Cell Discovery, 2020.)
スパイクタンパク質はウィルスの表面に突き出しているタンパク質です。これがヒト細胞の表面をスキャンして侵入する細胞の入口を探します。新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)はACE2(アンジオテンシン変換酵素2)受容体として、捕まえたあとヒト細胞に侵入を開始します。ACE2と新型コロナウィルスの結合をブロックしたら、感染しにくくなります。
新型コロナウイルスの治療薬として日本でも認可されたレムデシビルは、もともとはエボラ出血熱ウィルスの治療薬として開発されていたものです。このレムデシビルは、ウイルスの複製を阻害する作用があり、これによりウイルスの増殖を抑え、症状を改善します。Kwon らはヘパリンやフコイダンなどの多糖類における抗ウイルス活性を確認するためにVero細胞へのウイルス感染多重度(MOI)を用いて評価しました。その結果、コンブ由来フコイダンが最も抗ウイルス活性を示し、レムデシビルよりも強力に抗ウイルス活性を示しました。このことから、フコイダンは新型コロナウイルスがACE2に結合することをブロックすることで感染を予防する可能性が示唆されました。
簡単にいうと・・・
コロナウイルスがヒトの細胞に感染するのを、フコイダンが防いでいる!
文献2:
フコイダンはニューロピリン-1の発現を抑制する。
(Masashi Narazaki, et al. Sulfated polysaccharides identified as inducers of neuropilin-1 internalization and functional inhibition of VEGF165 and semaphorin3A. HEMOSTASIS, THROMBOSIS, AND VASCULAR BIOLOGY, 2008.)
ニューロピリン-1は、血管内皮細胞や神経細胞に発現しているタンパク質です。受容体であるACE2はウイルスが細胞に入るためのドアの鍵であるなら、ニューロピリン-1はウイルスをドアまで連れてくる案内人のような仲介役を果たします。ACE2はほとんどの細胞では低いレベルでしか発現されていないので新型コロナウイルスがドア(ACE2)を発見するのは容易ではありません。見つけるためには仲介役のニューロピリン-1の助けが必要になります。
Narazaki らは硫酸多糖を用いてニューロピリン-1における影響を調べました。その結果、硫酸多糖のデキストラン硫酸とフコイダンにニューロピリン-1の発現を抑制させる作用があることが明らかになりました。フコイダンによってニューロピリン-1の発現を抑制することは新型コロナウイルス感染に対しての予防になります。
簡単にいうと・・・
コロナウイルスがニューロピロン-1に誘導されてヒトの細胞に感染するのを、
フコイダンが防いでいる!
文献3:
フコイダンはSARS-CoV-2とヘパラン硫酸の結合を強力に抑制する
(Weihua Jin e al. The structure-activity relationship of the interactions of SARS-CoV-2 spike glycoproteins with glucuronomannan and sulfated galactofucan from Saccharina japonica、International Journal of Biological Macromolecules 2020)
新型コロナウィルスのスパイクタンパク質は、硫酸多糖であるヘパリンと親和性が高いことが報告されています。Jin らは硫酸多糖の新型コロナウィルスのスパイクタンパク質への相互作用及び親和性を調べました。その結果、高分子や硫酸の含有量がスパイクタンパク質への結合に重要であることが明らかになりました。さらにグルクロノマンナンはウイルス表面に優先的に結合することが明らかになり、新型コロナウィルスの治療薬になると述べています。
簡単にいうと・・・
コロナウイルスがヘパラン硫酸に促進されてヒトの細胞に感染するのを、
フコイダンが防いでいる!
(イメージ)
直接ヒトにおいて臨床的に効果が確認されたわけではありません。
また、これらの効果はフコイダンが吸収されて初めて効果が期待できるものです。