海に出たモズクたちはあれから・・・

モズクのお話

こんにちは。

 

沖縄でも本格的な冬がやってきました。

最近はあられが降りましたね。

沖縄県民は気温が20度を下回ると寒く感じるんです。

海水温は冬でも20度を切ることがあまりなく、海に入ってる方が暖かいんですよ。

さて、今回はそんな海で冬を過ごすモズクたちに焦点を当てていきます!

 

昨年11月の投稿で、モズクの種付けを紹介いたしました。

そのモズクたちは今、海の中で過ごしています。

でも、ずっと同じ場所にいるのではなく、時々移動させているんです。

海に網を張り出した後から、順番に紹介していきますね。

 

沖出し:苗床(なえどこ)

 

陸上のプールで種付けを行った(モズクの胞子をつけた)網を5枚1組にして、遠浅(水深4〜8m)の海へ張り出します。

網を張るときは、海底に着地させた状態にすることがポイント。

そうすることで、モズクが成長しやすくなります。理由は海底の栄養成分が影響していると考えられていますが、詳細は解明されていません。

ここでは、モズクが1〜2cmくらいになるまで成長させます。

生産者の方は、この場所ではモズクはここまでしか伸びないと経験でわかっているため、モズクの成長を感覚でつかんで、次の作業に移っていきます。

ちなみに、海に出す時期を早くすると収穫時期も早くなります。

でも、早くに海に出してしまうと台風が来た時にもモズクがちぎれたりしてダメになってしまいます。なので、台風がもう来ないな、というタイミングを見計らってから沖出ししています。その方が安心ですよね。

苗床

 

沖出し:中間育成

 

苗床に張っていた網を別の場所に移動させます。

網は苗床と同様に、5枚1組のままで海底に着地させるように張っていきます。

次の工程を行う前に、モズクの根を強くしてより成長させるために行います。

モズクの伸び方は場所によって変わるため、この中間育成の作業は、生産者によってやったりやらなかったり。もずくの生育状態でやり方は様々。

津堅島あたりでは、ほとんどの方が中間育成を行っています。

ちなみに、中間育成を2回行っているところもあるそうです。

中間育成

 

 沖出し:配置

 

中間育成のところから、また場所を変えます。

次の工程で、5枚になっている網を1枚1枚にバラしていくので、その準備を行います。

ホンダワラなどの他の海藻が生い茂っている場合は、まずそれを刈る作業から始めます。

雑草を取り除いた場所に、網を海底から50〜60cmの位置になるように杭で止めます。

この場所で、収穫までモズクを成長させていきます。

配置

 

 沖出:本張(ほんばり) *今はココ!!

 

5枚の網を1枚にバラしていく作業を行います。

網が5枚に重なったままだと、網ごとでモズクの生育に差が出てしまうので、モズクの長さがまだ同じ時に本張りの作業を始めます。

この時も、網は海底から50〜60cm離します。網が波に揺られていると、モズクの成長が促進されるのだそう。自然のゆりかごですね。

網の数は生産者によって変わりますが、多い人で3000枚の網を1枚1枚バラしている方もいるとのこと。大変な作業です・・。

本張りの作業が終わると、あとは収穫まで待つのみ。でも、流れてきた他の海藻が網に絡まった時は丁寧に取り除きます。そうしないと、絡まった部分のモズクが育たなくなってしまいます。モズクはすごくデリケートなんです。

ここで大事なのが天気。日照不足だと、モズクが生育しにくく不作の原因になってしまいます。

 

本張り

 

 

ちょっとコラム====================================

苗床〜中間育成〜本張りで、網と海底の距離が違う理由にはちょっとしたエピソードがあります。

モズクの養殖技術の研究は1970年代に行われており、苗床の時は海底から約50cmのところに網を張っていました。しかし、胞子がついているのにも関わらず、モズクがなかなか成長しませんでした。そんな時、杭に取り付けていた網が外れて海底に落ちていたところから、モズクが生えているのを発見しました。

このことがきっかけで、苗床と中間育成では網を海底につけて張るようになりました。

こんな偶然も重なり、現在に至っているんですね!

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沖縄の暖かい海では、収穫に向けて着々と作業が進められています。

収穫まであと一息!

良い天気が続くといいですね。

てるてる坊主でも作ろうかな〜と思います。

 

では、またの投稿をお楽しみに〜♫

 

 

 

イメージテキスト

本場・沖縄県で、オキナワモズクやフコイダンの生産と研究開発に積極的に取り組むサウスプロダクトが、その魅力や特性を科学的にわかりやすくご紹介。
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