これぞ絶品!那覇「しむ」の究極のモズク天ぷら

モズクのお話

はいさい!皆様!!

ちゃ~がんじゅ~ですか(お元気ですか)?

「もずく」、食べてますか?

 

 

このところ、台風とそれにまつわる雨雲などで

日本全国に大雨をもたらしていますが、

台風16号にして、沖縄の海もようやく撹拌された様子。

台風の恩恵と被害の狭間で複雑な思いもありますが、

海にとっては台風のパワーは必須でもあります。

 

今年は特に南大東島をのぞく沖縄の各地に、

例年でも珍しくこの時期まで台風がやってこなかったために海水温が高くなり、

沖縄全域でサンゴの白化が進んできました。

 

特にひどかったのが八重山のサンゴ。

日本最大のサンゴ礁海域とされている

石垣島と西表島の間にある「石西礁瑚」では、

平均水温30℃が続き、

その90%の白化が確認されました。

 

 

台風16号でサンゴの白化現象が止まることを期待するばかりです。

 

 

 

さて、それでは今回のもずくにまつわる話をお届けしましょう。

 

今回は、ちょっと趣向を変えて・・・おいしいもずく料理のおはなし。

数あるもずく料理の中で、その究極の一品とは果たしてどんなものか!?

 

そこで、みんなも大好き「もずく天ぷら」にスポットを当ててみました。

 

「もずく天ぷら」のその仕上がり具合は

沖縄の家庭の数だけ存在すると言っても過言ではない一般的なもずく料理の一つですが、

究極の「もずく天ぷら」はどんなものか、

琉球料理・沖縄料理の研究の第一人者、松本料理学院の院長・松本嘉代子先生に

尋ねてみると・・・。

 

答えは即答。

那覇の前島にある手料理の店「しむ」の

岸本留美子さんがつくる「もずく天ぷら」しかない!と教えてくれました。

(念のために、その他数名の料理の先生にも聞いてみましたが答えは同じでした)

 

 

 

 

松本先生に事前に話をきくと、

 

「沖縄のてんぷらは油を食べているような感じがあるけれど、

それが、まったくありません。」

「もずくがとても上手に生かされていて、他では食べられなくなります。」

 

果たしてどんなもずく天ぷらなのか、

妄想は広がるばかり・・・。

 

 

「しむ」は夜だけの営業で、

しかも女将さんが一人で切り盛りしているので

取材にはかなりのご無理をお願いしてしまったのですが、

行ってビックリ!

もう、目から鱗の「もずくの天ぷら」!!!

 

 

「なに、この姿とおいしさ!!!!!!!!!?」

 

そんな言葉がついつい口をつきました。

 

 

 

那覇にある店は、こじんまりとした店内。

中央にあるカウンターの中の一番右のコンロが揚げものの鍋。

一番左のコンロの上ではコトコト三枚肉を煮込んでいる最中でした。

 

 

少し話をしたあと、

「じゃ、早速揚げるわね。」

岸本さんはそう言うと、早速ボウルの中に用意してあった

もずく天ぷらのタネを手に。

 

タネ

 

 

「タネを解くときは、冷水がいいわね。

氷を入れてもいいけれど、慣れてないと揚げている時にはねて危険だから。」

 

 

ボウルの中身(つまり材料)は、

(*目安です。これで20個近くできます)

 

・沖縄生もずく 250g

・小麦粉    240g

・卵      1/2個

・だし汁    160cc

・塩    小さじ1/2

 

 

これらを合わせる時に、冷水や氷を使うことによって小麦粉に余計な粘りが

出ないようにすることができます。

女将さんが言っていたのはこのことです。

 

 

「私は一切、ベーキングパウダーとかも入れません。

他のお野菜とかも入れません。

今、多くのもずくの天ぷらって、天ぷらじゃなくて≪かきあげ≫になっているでしょう」

 

 

形を整える

 

 

これまで食べてきたもずくの天ぷらで、

細長く伸ばして形を整えるタイプのものは見たことがありませんでした。

 

 

「お玉とかですくって油に入れることもあるでしょう。

あれだとおいしくできないのよ」

 

 

女将さんの手もとのもずくのタネは、

だいたい2~2.5センチくらいの太さ、

長さにして10センチ強のスティック状にまとめられていきます。

 

それを油の中に丁寧に落としていきます。

 

 

油の中へ

 

 

「家庭で作るのと比べると火力が違うから、さらにカラッと揚がります。」

 

 

 

火力が違う

 

 

「はい、できあがり!」

 

 

 

 

・・・テーブルに並べられたもずく天ぷらを見て

その細長い姿に本当に驚きました。

 

そして、食べて2度びっくり!

 

 

カリッとした食感。

全く油を感じないおいしさ。

 

 

「小麦粉じゃない粉を使っているの?とよく聞かれるんですが、

小麦粉です。米粉でもないし、タピオカ粉でもない。

なのに、もっちりしているでしょう。

 

これは、もずくのフコイダン。

もずくのぬめりを上手に生かせば、もずくが天ぷらをよりおいしくしてくれるのよ。

 

さらに、冷めるともっともずくがもずくであることを主張してきます。」

 

 

試しに、数時間後に食べてみると、

確かにもずくであることがものすごくストレートに伝わる食感。

てんぷらを噛むときには、何か筋肉質なものを口に入れたような

そんな歯ごたえを感じるのです。

 

 

こんなもずく天ぷら食べたことがない!

 

「たぶん、この姿のもずく天ぷらはうちだけだと思います。

それと、このうちの特製のタレもちょっとつけて食べてみて。

永六輔さんがうちのお店に来ると、このタレで必ず食べていましたよ。」

 

 

タレも絶品

 

 

特製のタレと言っても秘密ではなく、

醤油と刻んだにんにく・コーレ―グースを合わせたものだと教えてくれました。

 

 

でも、本当にこのタレがまたおいしい!!

どんどん、もずく天ぷらが食べられてしまう!!

 

 

女将さんは誰かに料理を習ったわけでもなく、

おいしいと思って食べたものを基本に自分であれこれ考えて

作っていくのだと言います。

 

「小さいときに名護の海でつまんで食べた生もずくのおいしさとかを

知っているから、それが基本になっているのではないかしら。」

 

 

岸本留美子さんが作る、「もずく天ぷら」。

機会があったら是非、一度食べてみてください。

おいしさを活かす料理ってこういうことなんだと感動することまちがいなし。

 

 

 

 

手料理の店「しむ」

沖縄県那覇市牧志2-4-11 TKビル2階
098-869-7877

18:00〜24:00

LO22:00

不定休なので事前に問い合わせを。

 

しむ

 

 

 

では、もずくにまつわる話、

次回もお楽しみに!

イメージテキスト

本場・沖縄県で、オキナワモズクやフコイダンの生産と研究開発に積極的に取り組むサウスプロダクトが、その魅力や特性を科学的にわかりやすくご紹介。
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