モズクの良さをもっと伝えたい ~2016年度のモズクについて~

モズクのお話

はいさい!皆様!!

ちゃ~がんじゅ~ですか(お元気ですか)?

「もずく」、食べてますか?

 

 

ようやく台風一号が発生した今年の夏。

2016年は、なかなか台風ができないねぇ…なんていっていたら

何のことはない、統計史上第一号としては初となる大きさにまで成長!

誰も予想していないことでした。

 

 

7月3日午前9時。

西太平洋カロリン諸島沖にあった熱帯低気圧が台風一号になり、

6日の午前9時には猛烈な勢力になりました。

かろうじて沖縄直撃は免れましたが、

広い暴風域が先島をすっぽり包みます。

 

そんな台風ですが、でも台風の役割は実はとても大きいのです、

特に、海においては。

 

海における台風の役割を整理すると、

◆海水を撹拌してくれることにより、

・海水温が上昇し過ぎるのを押さえてくれる

・深い海にも酸素が行き渡るようになる

・海水の浄化作用がある

 

これは台風にしかできないことです。

こればかりは、人間が機械を持ってしてもできることではありません。

地球規模の台風だからこそ海に影響を与えることができるのです。

この後今年、台風はいったいいくつ沖縄にくることでしょうか?

災害・被害にならないことを願いつつ、

台風の発生が気になるところです。

 

さて、モズクにまつわる話。

今回は「モズクの加工品」の話をご紹介する予告をしましたが、

申し訳ありません!

勝連漁業協同組合の参事・玉城謙栄さんに話を聞くことができたので

ちょっと割り込みさせていただきます!

 

何の話を聞くことができたのか・・といえば

「2016年度のモズクについて」。

今季のモズクを総括してもらいました。

 

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まずは、今期の収穫量なのですが、

・・・実は前年度の8割程度。

大収穫!!!とは行かなかったようなのです。

 

「原因は、ひとことで言えば、海水温が高かったことに由来します。」

 

言われてみれば、確かに12月でも暖か。

寒さ知らずの暖冬でした。

気温も高ければ、海水温も上昇。

 

秋に種をつけて一番成長してほしい時に

モズクにとって嬉しくない高温による悪条件。

いわゆる、漁師さんの間で『クロベ―』と呼ぶ黒カビも

高温により繁殖し、モズクの成長を妨げました。

 

中には、それが原因で網を引き揚げ、

せっかくのモズクも洗い直して

畑を作り直した漁師さんもいたほど。

 

さらには、1月!

高温とは全く逆の沖縄とは思えない強烈な寒波が襲ってきました。

 

海中とはいえ、気候にずいぶんと左右されるもの。

こんなことが、モズクの大事な成長期に起ってしまったのでした。

 

「浅瀬に畑を作っているところは、被害が大きかったですね。

浅瀬は太陽の光が届きやすいので成長が進むという半面、

深い海と比べて海水温が上がりやすいからです。」

 

 

今期の天候では浅瀬の悪いところが影響しまったようでした。

 

 

 

一方、消費者のモズクの認知度は?!といえば、

海人・宮城さんの全国区のテレビ出演でマツコデラックスさんに

勝連の生もずくを食べてもらうなどもありましたが、

それも含めて玉城参事は

「生もずく」の良さがさらに浸透してきた感触があると言います。

 

 

「千葉のイトーヨーカドーなど、大手スーパーで『生もずく』がずいぶんと

並ぶようになり、これまでの『洗いもずく』も一緒に並んでいる中、

『生もずく』買って行かれる方も増えてきたんです。

自分の目でも見てきましたが、これはとても嬉しいことです。」

 

 

 

ちなみに、

売られるもずくには以下の種類があります。

 

『生もずく』・・・収穫したものをそのまま、真水や海水で洗ったもの。

『塩蔵もずく』・・・塩漬けにした保存性の高いもずく。食べる時には塩抜きをする。

『洗いもずく』・・・塩蔵したもずくを塩抜きし、そのまま食べられる状態になっているもの。

『乾燥もずく』・・・原料のもずくをきれいに洗ったのち、乾燥させたもの。

干物と同様に戻してから使う。

 

 

『洗いもずく』より『生もずく』の方が、

・ぬるぬるとしたぬめり具合も

・しゃきしゃきした歯ごたえも

断然高くて本来のもずくの味を楽しんでもらうことができます。

玉城参事は

 

「もずく本来のおいしさを味わってもらうのは、断然、生もずく。

でも流通量をみると、生もずくより、洗いもずくとして加工されるもずくの方が

需要が高いのが現状です。

加工に向くもずくは、海の中で生もずくとして食べられるものよりもっと長く

海の中で育てるもずくです。一般的には「太もずく」とか、「熟もずく」などと

呼ばれています。」

 

参考までに「生もずく」で食べられるもずくは塩蔵できません。

なぜかというと、デリケートなので塩で溶けてしまって加工できないからなのです。

 

皆さんの近くのスーパーに並んでいるもずくはどんなもずくでしょうか?

 

 

 

「いずれにせよ、勝連漁協ではまた研究に研究を重ねて生産し、

もっともっともずくの良さを広く認知してもらいたいと思っています。

種の研究もして、将来的には海水温の変化に強いものなども見つけて行けたら

いいと思っています」。

 

 

2016年度のモズクは豊作とはいかないまでも、

生もずくとして食べるおいしさを含め、少しずつその認知度も広がっている様子。

 

漁協では今期の塩蔵作業も終わり、

漁師さんは網を洗ったり、

そろそろ次のモズクを育てる準備に取り掛かり始める頃です。

 

 

 

勝連のもずくのについてのお問い合わせ、ご購入は・・・

 

勝連漁協協同組合 http://www.katsuren.net/

 

 

 

 

では、もずくにまつわる話、

次回もお楽しみに!

 

(次回掲載は、 7月22日(金)の予定です)

イメージテキスト

本場・沖縄県で、オキナワモズクやフコイダンの生産と研究開発に積極的に取り組むサウスプロダクトが、その魅力や特性を科学的にわかりやすくご紹介。
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