フコイダン吸収のメカニズムとは?

フコイダンのお話

こんにちは。

 

暦の上では秋ですが、沖縄はまだまだ30℃を超える日が続いています。

 

さて、サウスプロダクトが行なってきたフコイダンに関する研究成果をまとめ、

論文として投稿いたしましたので、ご報告いたします。

投稿は、「marine drugs」という学術誌です。

 

今回は「Absorption Study of Mozuku Fucoidan in Japanese Volunteers

(日本人ボランティアにおけるフコイダンの吸収試験)」というタイトルで投稿しています。

英文でまとめていますので、訳してご紹介いたします。

 

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まずフコイダンの吸収についてですが、

フコイダンのような高分子多糖はもともと、吸収されないと言われてきました。

しかし、研究が進むにつれて、関節炎、肝障害、肺炎、髄膜炎などに対する効果が

報告されるようになり、消化管でフコイダンが吸収されているのでは?と

推測されるようになりました。

 

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(オキナワモズクフコイダンの構造)

 

 

そんな中、2005年に初めてヒトにおけるフコイダンの吸収が報告されました。

サウスプロダクトでも、オキナワモズク由来フコイダン抗体や

ELISA測定系(フコイダンを測定する分析方法)を使用して、

ラットにオキナワモズクフコイダンを2週間経口投与した吸収試験を行い、

オキナワモズクフコイダンが消化管上皮から吸収されることを報告しました。

 

その後、健常ボランティア10名にオキナワモズクフコイダン1gを経口摂取させる

吸収試験を行ない、1回のフコイダン摂取によって、7名の血中と10名の尿中で

フコイダンが検出されたことを報告しました。

しかし、フコイダンの吸収は個人差が大きく、

フコイダンの消化管吸収の解明には至りませんでした。

 

そこで今回、統計学的に十分な人数を対象として、フコイダンを投与する試験を行い、

「フコイダン吸収に何が関与しているのか?」を明らかにすることになりました。

 

 

方法は、フコイダンドリンク(3000mg/本)を経口摂取させて、

摂取前、摂取後3, 6, 9時間後の計4回採尿を行い、尿中フコイダン濃度を測定しました。

 

 

その結果、

3gフコイダンの1回経口摂取によって、369例中385例で尿中フコイダンが検出され、

尿中フコイダンが検出されなかった11例中8例が沖縄県外出身者でした。

 

尿中フコイダン頂値(ピークの値)は個人差が大きいため、A〜Eの5段階に分けると、

フコイダン頂値の最も高かったランクの16名中14名が沖縄県出身者であることがわかりました。

また、尿中フコイダン頂値の平均値は、沖縄県出身者の方が約1.4倍高くなりました。

 

 

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(尿中フコイダンの最高値によるランク分け)

 

 

 

さらに、統計処理を行なった結果、沖縄県出身者は沖縄県外出身者に比べて、

フコイダン排泄量が有意に高いことが分かり、

尿中フコイダン排泄量に関与する因子として、「沖縄県出身者」であることが検出されました。

 

 

今回の結果から、

モズクの食習慣のある沖縄県出身者は、食習慣のない沖縄県外出身者に比べて、

フコイダンがより吸収されていることが明らかとなりました。

今後は、フコイダンが消化管でどのように吸収されているのかを解明する必要があります。

 

 

もずくと島らっきょの和え物

 

 

オキナワモズクに含まれるフコイダンには、健康を維持する様々な機能性が報告されていますが、

モズクを食べ続けることで、フコイダンの吸収力をあげることに繋がるのなら、

モズクを日頃から食べることは、一石二鳥になりますね!

 

 

 

また新たに出てくる研究成果が楽しみになりました!!

 

ではでは次回の投稿をお楽しみに〜

 

 

イメージテキスト

本場・沖縄県で、オキナワモズクやフコイダンの生産と研究開発に積極的に取り組むサウスプロダクトが、その魅力や特性を科学的にわかりやすくご紹介。
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