はいさい!皆様!!
ちゃ~がんじゅ~ですか(お元気ですか)?
「もずく」、食べてますか?
10月も下旬だというのに、
沖縄は相変わらずの夏日が続いています。
吹く風はさわやかなのですが、
日差しがまだ痛い。
そんな中、去年、モズク日記で追っかけ取材をした
勝連海人の宮城伸一さんから
「今年のモズク栽培、種付けがはじまりました~」とのご一報。
(撮影:宮城伸一)
すくすくと順調に育って、
また、来年の早摘みモズクを楽しみにしたいと思います。
宮城さん、頑張ってください!
ちなみに、今、沖縄県内ではまだ生もずくがスーパーなどに出回っていますが、
これらのほとんどは、今年の収穫時に採ったものを冷凍保存しておき、
解凍して店頭に並べたもの。
生もずくはこのように冷凍保存もできるので
旬の時期に小分けにして冷凍庫にいれておくといいですよ。
これから寒くなってきたら
お鍋に入れるのもおすすめです~♪
さて、それでは今回のもずくにまつわる話、お届けしましょう。
今回は、
オキナワモズクフコイダンの研究をされている
医学博士 長嶺竹明 先生のお話しです。
まずは、長嶺先生のことを少しご紹介しましょう。
1949年 那覇生まれ。
群馬大学医学部を卒業後、同学部の第一内科に入局。
その後、群馬大学大学院保健学研究科の教授就任。
2016年春からは沖縄に戻り、
医療法人 陽心会 大道中央病院で治療と研究に携わる。
ちなみに、群馬大学医学部時代での長年にわたる研究のテーマは「肝臓病」。
・・・肝臓病を長い間研究されていた先生が
なぜ「オキナワモズクフコイダン」と関係があるのか!?
そんな素朴な疑問が湧くかと思いますが、
その理由はというとー。
肝臓がんをいろいろ研究しているうちに、
炭水化物の一種である多糖類、つまり、セルロースやグリコーゲン、でんぷん
といった類いのものが、肝臓がんに有効なのでは?と思いついたといいます。
そして、では、どんな多糖類が最も有効なのだろうか?と調べて行ったところ、
行きついたのが『フコイダン』だったというわけなのです。
そして、さらに追求していくと、
それについて研究されているのが先生の故郷、沖縄だとわかった。
それで、教授職を退官し、この2016年の春に沖縄に戻ってきたところで、
オキナワモズクから採れるフコイダンに注目しているということなのです。
【長嶺先生のフコイダン研究①】
◆オキナワモズクフコイダンは、ガン細胞に添加すると、
細胞周期を途中で止め、腫瘍の増殖が抑制されることがわかりました。
その理由の一つとしてあげられるのが、
≪オキナワモズクの構造≫にあると言います。
オキナワモズクはとても単純な構造をしていて、
それゆえ、吸収力が他のフコイダンと比べて高いはずだと予測しました。
実際のところ、オキナワモズクフコイダンを患者さんに投与し、
その尿の中のフコイダンの濃度を調べてみるとわかりました。
先生が2015年に発表した論文の中には
口からのフコイダン摂取でも吸収されることを発表しています。
さらには、吸収されたあと、
腸管や肝臓にある免疫細胞に取り込まれていくことも
わかってきたと言います。
◆≪オキナワモズクフコイダンは取りだしやすい≫
他の渇藻類、
例えば、コンブやワカメ・ヒジキなどにも
フコイダンはもちろん含まれていますが、
フコイダン以外の多糖類も多く含まれているのが事実。
つまり、そうなるとフコイダンだけを取り出すのが容易ではないのです。
ところが、オキナワモズクの多糖類は!?といえば
その身体のほとんどがフコイダン。
だから、簡単に取り出しやすく、しかも、純度が高いのです。
【長嶺先生のフコイダン研究②】
先生の研究はいろいろな視点があります。
ガンの他には例えば・・・
◆ウィルス感染に有効である。
先生のみならず、抗ウィルス作用は
最近ではずいぶんと報告されるようになりましたが、
とりわけ、インフルエンザウィルス・ヒトTリンパ球向性ウィルス1型・
ヒト免疫不全ウィルス(つまり、HIV)、単純ヘルペスウィルス・・・・・
などなど、それらに有効なことが分かってきています。
これらのウィルスに対して
オキナワフコイダンはどのような働きをするのかといえば、
直接的に抗ウィルス作用を発揮するのではなくて、
ウィルスの侵入を防ぎ、
ウィルスによる細胞の融合を阻止することで
ウィルスから細胞を守っているというわけなのです。
また、これまでの研究の結果から、
フコイダンは、
抗インフルエンザ薬や、
インフルエンザワクチンと併用することで相乗効果が期待できることも
わかっていると言います。
オキナワモズクのフコイダンってすごいですよね!
さぁ、もずくにまつわる話、
長嶺先生のお話はまだまだ続きがありますので
次回もまた、ご紹介したいと思います。
お楽しみに!
参考
「オキナワグラフ」2015年4月号掲載
「フコイダンの生理活性と新規フコイダンELISA測定法」長嶺竹明先生
文:伊藤 麻由子