モズク栽培日記 ④ モズクも二期作

モズクのお話

はいさい!皆様!!

ちゃ~がんじゅ~ですか(お元気ですか)?

 

 

12月も中旬に差し掛かると、

沖縄の海にはクジラたちがそろそろやって来ます。

ザトウクジラです。

子育て繁殖を目的として、毎年クリスマス前から3月頃まで

慶良間あたりの海に来るのです。

クジラに対してハラスメントをしないようにいろいろなルールをつくり、

それを守ってきている結果、

ホエールウォッチングの遭遇率も年々上がっています。

 

 

さぁ、そんな沖縄の冬の海、

勝連沖ではモズクの栽培に精がでます!

 

 

勝連漁業協同組合に所属する海人(漁師)の宮城伸一さんに密着しての第4弾!

今回は、苗床を出して空になった水槽のその後について、ご紹介しましょう。

 

(*前回までの様子はこちらから。

モズク栽培日記 ③ 苗床海底設置へ

 

 

まずは、今日の宮城さん!

 

 

漁師00072

 

 

なんと、イギリスのデザイナー・ポールスミスが好きだという情報もゲット。

おしゃれな普段着も見てみたい気もしますね。

 

 

さて、苗床を水槽から出して海に運んだ後の水槽ですが、

これで後は洗い流して掃除をして・・・というわけではありません。

 

 

空のタンク

 

 

実は、海水の色を見てもらえたらわかりますが、

この中には取り出したロープに着床しきれなかったモズクの種(赤ちゃん)が

ウヨウヨウヨウヨ!

しかも、水槽に投入してから時間が経っているので数も増え、

ある程度の成長もしています。

 

 

写真㈫

 

 

となれば、このまま捨ててはもったいない!

 

・・・ということでこの中に再びロープを入れるのです。

 

 

P1040352

 

 

つまり、モズクの二期作を目指します。

 

 

写真㈭

 

 

宮城さんによると、宮城さんたちは三期作まで頑張るのだそうです。

時間が経てば経つほど水槽の中のもずくの赤ちゃん濃度は上がるので

良い赤ちゃんの芽がたくさんついてくれるといいます。

二期までではなんとももったいないと、頑張るのです。

 

でも、だったら、四期だって五期だってすればいいのでは?

 

・・・と欲をかいた素人は浅はかな発想をついついしてしまいますが。

 

 

宮城さんの説明では、三期くらいまでがギリギリなのだとか。

何がギリギリかというと、

収穫の時期を考えたとき、

三期以降になると漁業権の問題があって

海底に苗床を張って成長するのを待つことができないというのが理由の一つ。

しかも春になって海水温があがってくると雑草が増えたり、

また、モズクそのものもおいしく成長してくれないのが二つ目の理由。

 

そうなると、こんな笑顔で収穫はできないのです。

 

 

漁師00072

 

 

 

ところで、水槽に入れるロープについてですが、

時には、一旦海底に苗床を設置したとしても失敗することが多々あります。

暖冬の今年もそのいい例なのですが、

ロープに雑草が付き過ぎたり、

水温が高くてモズクに良くないカビのようなものが生えてきたりして

やり直さないといけなくなるのです。

 

せっかく、時間をかけてロープにもずくの赤ちゃんを着床させ、

重たい思いをして海に運び、

海底にそのロープを張る重労働作業。

それらがやり直しになるのです。

 

 

その様子がこちら。

 

ロープを海水で洗って汚れを落とし、

 

P1040337

P1040339

 

それをまた、水槽に入れるのです。

 

モズクは生き物ですからデリケートです。

栽培には思った以上に手がかかるもの。

 

3月の収穫まで、

このあとどんなふうに育てていくのか、

引き続き追跡レポートしていきたいと思います。

 

 

 

さて次回は、

今年最後のモズクラボ!ということで

これまでのことをさかのぼり、

「モズクQ&A」をお届けします。

 

 

 

お楽しみに!!

 

 

(次回掲載は、12月25日(金)の予定です)

 

取材:伊藤 麻由子

イメージテキスト

本場・沖縄県で、オキナワモズクやフコイダンの生産と研究開発に積極的に取り組むサウスプロダクトが、その魅力や特性を科学的にわかりやすくご紹介。
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