ぼくがモズクの研究を始めたわけ

フコイダンのお話

スキューバダイビングが好きで仕事で海に潜れるということで海洋天然物化学の研究チームに入りました。今から、22年くらい前の話しです。

その頃の研究テーマはソフトコーラルからサルコフィトールAというセンブラン骨格を持った化合物を取るというものでした。サルコフィトールAは共生している微細藻が真の生産者のようで、同じ種類のソフトコーラルなのに沖縄本島近海には見つからない。探しまわると石垣島や与那国島のソフトコーラルに含まれることがわかってきました。おかげで、石垣の離島や与那国を数百本潜るというステキな研究テーマでした。

サルコフィトールAは当時、発ガンプロモーター(ガンを大きくさせる作用)の阻害剤として注目され、医薬品として高い可能性を持っていました。しかし、ソフトコーラルから取ることはたいへんな作業でこの成分の量産は無理だと思っていました。量産できなければビジネスになりません。

海洋天然物の研究を行っているとたくさんの著名な先生や研究者の方々とお知り合いになることができました。このときの人脈は今でも活用しています。その中に、沖縄県水産試験場で海藻の研究を行っていて、オキナワモズクの栽培技術を開発した当真博士がいて、「オキナワモズクの天然物化学の研究をやったら」とアドバイスされました。

当時、オキナワモズクは生産過剰で価格が低迷するという問題が起こっていました。しかも、沖縄特産種で栽培技術が開発されているにもかかわらず、研究している人がほとんどいない。研究材料はスーパーでも売っている。機能性成分を見つけたら健康食品になる。昔から食べられているので食品として安全である。そして、一番の理由は、「世界で生産しているところは沖縄だけ」ということでした。だって、研究成果で誰かが新しいビジネスを始めても、原料となるモズクを買わないといけないわけだから必ず沖縄に利益が還元される訳です。

一番引っかかったところは、スキューバダイビングしなくてもサンプルが入手できるというところだったけど(笑)。

(写真:サンプリング)

(写真:サンプリング)

(資料:サルコフィトールAのパンフレット)

(資料:サルコフィトールAのパンフレット)

イメージテキスト

本場・沖縄県で、オキナワモズクやフコイダンの生産と研究開発に積極的に取り組むサウスプロダクトが、その魅力や特性を科学的にわかりやすくご紹介。
産地ならではのLive感いっぱいで、お届けします。