モズク生産を「見える化」!?

ニュース・トピックス

こんにちは。

 

前回の続き、「沖縄県もずく養殖業振興協議会」で情報提供として、

各種機関で実施された研究が紹介されました。

 

 

まず、知念漁業協同組合の林さんから、

「汎用性 UAS(ドローン)空撮画像を用いたもずく漁場の実態把握と収穫予測」

についての報告がありました。

 

 

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現在のモズク養殖業は、

不作の時は価格上昇、豊作の時は価格低下といったことがおき、年変動が大きい産業。

そのため、不作と豊作における、需要と供給体制の調整がうまくいかず、

機会損失がおきてしまいます。

 

そこで、ドローンによりモズク畑を観測することで、

生産量を予測し、機会損失を防げないかという取り組みを行っているとのこと。

 

これが、ドローンを利用したモズク畑の画像。

 

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どこのモズクがよく生えているのか、一目稜線!!

 

この画像から、モズク畑の色の濃さを見て、今年は豊作なのか不作なのかを判断します。

さらに、この色の濃さを数値化することによって、

年次比較や成長量解析などが可能になるとのこと。

 

今後は、モズクの生育に対する理解、生産技術の改善、市場傾向の予測が、

可能になっていくんだとか。

 

ちなみに、空撮画像でこんなものも紹介していました。

モズク畑にモズクが生えていないうっすらとした部分がありますが、これは魚食被害。

モズクが魚に食べられてしまった場所で、そこが魚の通り道だと推測されるそうです。

こんなことまで分かってしまうなんて、画期的な技術ですね!!

 

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次に、沖縄県水産海洋技術センターの近藤さんから、

「オキナワモズクの交雑技術開発」についての報告がありました。

 

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交雑技術を開発して、新しい品種を作り出し、

モズク養殖業の安定生産に貢献する、という研究を行っているとのこと。

例えば、低水温に強いモズク(A株)と時化でも切れにくいモズク(B株)から、

低水温にも強く、時化でも切れにくいモズク(A×B株)を作ることができます。

 

モズクの生活史を利用して、それぞれの株から単子嚢(n)を取り出し、

遊走子(n)を放出させて、接合(2n)して交雑していきます。

 

ですが現在は、まだまだ研究段階。

というのも、交雑技術の開発には、選抜育種、ゲノム解析、試験養殖・・・と

クリアしないといけないことがたくさん。

新品種の完成までの道のりは長いですが、将来の可能性に期待したいですね。

 

 

そして、沖縄県水産海洋技術センターの津波古さんより、

「モズク漁場におけるICTブイの実証試験 〜モズク漁場の「見える」化〜」

について報告がありました。

 

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モズク養殖業には、生産が不安定、高齢化、漁場環境の変化といった課題がありますが、

これをICTブイ(情報通信技術を活用したブイ)を使って解決できないか、

という取り組みを行っているとのこと。

 

このICTブイは、水温や塩分センサー、通信センサーを搭載しているので、

リアルタイムで海中の状況を確認できます。

そのデータを蓄積することで、

適切な種付けや沖出し時期の推定が可能になるのでは、と期待されています。

県外の牡蠣養殖や海苔養殖では、すでに活用されているところもあるとのこと。

 

モズクの養殖は、漁師さんの経験と勘で「この場所はモズクがよく伸びる」

という話をお聞きしたことがありますが、

それがデータで管理され、しかも予測までできてみんなで共有できれば、

漁師さんの負担を減らせるだけでなく、モズクの生産を計画的・効率的に行えるようになります。

このICTブイは、早速10月から勝連漁協と本部漁協で試験的に設置されるそうです。

 

 

 

モズクの需要は伸びているので、それに対応するためにも生産体制を整える必要があります。

今回紹介された内容は、どれも将来の可能性が期待できる、素晴らしい研究内容でしたね。

来年の協議会での進捗報告が楽しみです!!

 

 

ではでは、次回の投稿をお楽しみに〜〜

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本場・沖縄県で、オキナワモズクやフコイダンの生産と研究開発に積極的に取り組むサウスプロダクトが、その魅力や特性を科学的にわかりやすくご紹介。
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