6月20日の琉球新報に「モズク成分 胃腸症へ効能」のタイトルで記事が掲載されました。
いろいろと問い合わせをいただきましたので解説いたします。
オキナワモズクのフコイダンが胃潰瘍の治癒促進や予防効果があること、胃の不定愁訴(胃潰瘍ではないけど不快感がある:NUD)の改善効果があることは10年くらい前に報告されていました。NUDはその後、機能性胃腸症(FD)として診断基準が確立され、新しい「病気」になりました。そこで、改めて機能性胃腸症と診断された患者さんに対するフコイダンの効果を調べようということで、東邦大学医療センターの瓜田教授の研究チームと研究を開始しました。
試験内容は新しい診断基準で機能性胃腸症と診断された患者さんに1日にオキナワモズクフコイダン240mgを4週間摂取してもらい、F-scaleという症状の評価法を用いて効果を明らかにしていくものです。ちなみに、フコイダン240mgはモズクに換算すると25gくらいで、カップに入っているモズク1個分です。
試験は始まったばかりで、症例数が6名と少ないのですが6名中5名に症状が改善している結果が得られています。また、研究を行っている渡邉先生によると、そのうちの1人はフコイダンの4週間の摂取終了後も改善効果が続いているそうです。
今後、症例数が増え、なぜフコイダンに改善効果があるのか、そのメカニズムも明らかになってくると思います。
機能性胃腸症は日本人8名に1人が患者であると言われる新しい病気です。
昔は神経性胃炎とかよばれ、多くはストレスが原因と言われています。カップ入りモズクを毎日1個食べることで改善するのでしたら、ストレスがあるときは毎日モズクを食べてみたらいかがでしょうか。
▲琉球新報(平成27年6月20日)掲載