毎年8月に発表されるモズク生産量の結果。
2024年版のデータが集計されて、沖縄県もずく養殖業振興協議会から発表されました。
さて、今年はどうだったのでしょうか。
今回は、モズクの生産量についてまとめてみました。
8月恒例のモズク生産量報告:収穫から発表まで
全国的にも広いシェアを占めている養殖モズク。
地域によって作業の時期は異なりますが、一般的に秋ごろに栽培をスタートさせます。
モズクの種になる胞子を海から採ってきて、陸上プールで養殖用の網に胞子をつけます。
その網を海に移し、冬の間にモズクを成長させて、春に収穫を行います。
収穫時期が終わると、各地域の生産量が集計され、毎年8月に集計結果が発表されます。
生産量の集計は本モズク(オキナワモズク)と、イトモズクの2種類が報告されました。
ここでは、本モズク(オキナワモズク)をピックアップして紹介します。
2024年産は約1万6,000トン!年間推移および地域別・月別データ
2024年産のモズク生産量は「1万6,208トン」となりました。
内訳をみると、「オキナワモズク1万6,013トン」「イトモズク195トン」となりました。
オキナワモズクの生産量の推移を、1978年(昭和53年)から現在までまとめました。
右側のオレンジの部分が今年(R6)のデータです。
過去5年間の平均は1万7,874トン。
あと少しで平均に届きませんでした・・・。
次に、過去5年間のオキナワモズク生産量を地域別にまとめました。
地域ごとでは、今年は勝連、八重山、知念の順に多くなりました。
1番の勝連は2番の八重山の2倍以上の生産量という結果でした。すごすぎです!
勝連地域がなぜ生産量が多いかは、過去の記事でつぶやいています。
また、オキナワモズクの生産量を月別でまとめてみました。
数値が少なくてグラフでは見えていませんが、今年は1月から収穫が始まりました。
4月に最盛期を迎え、その後減少して、7月に最後の収穫がありました。
ほとんどの地域では、5月下旬から6月には収穫を終了させていました。
生産量に影響を与えた海水温と対策案
今年は全体的に、モズクの栽培を始める9月以降、晴れの日が多かったり雨が少なかったことで、海水温が例年より高くなってしまいました。
これが、生産量が伸びなかった原因と考えられています。
近年は、高い水温や光合成に必要な日照不足などの天候に左右された影響で、豊作・不作を繰り返している傾向があるとのこと。
モズクの生産は、自然に振り回される産業なんです。
自然のことを操ることはできませんが、実は環境に合わせた栽培を行うという方法が模索されています。
オキナワモズクは遺伝子的にみると、いくつかの種類に分けることができます。
その中で、高い水温や光が弱い環境が生育に適する種類もあるということがわかってきて、効率的に生産できるような研究が進められています。
養殖とはいえ、自然環境があってのモズク。
自然と上手につきあって、美味しいモズクがたくさん収穫できるように願いたいですね。
まとめ
今年のモズク生産量の結果は、以下のようになりました。
- ・2024年産のモズク生産量は「1万6,208トン」。
- ・内訳をみると「オキナワモズク1万6,013トン」「イトモズク195トン」となった。
- ・モズクの栽培を始める時期に海水温が高くなったことが、生産量が伸びなかった原因。
- ・高い水温や光が弱い環境が生育に適する種類もあることがわかってきて、効率的に生産できるような研究が進められている。
今年は気温がとても高いですよね。
先日、気象庁から9〜10月は全国的に気温が高くなる見通しと発表がありました。
モズクのことを知ると、秋の気温の高さが気になるようになりますね。
来年のモズクに影響が出ませんように!
今回の内容が参考になれば幸いです。
沖縄県もずく養殖業振興協議会資料